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加齢による物忘れと、アルツハイマー型認知症の物忘れの違い。

アルツハイマー型認知症の特徴的な症状として、主に「物忘れ」というものがあげられます。
しかしながら、子供や若者、若年層に至るまで、物忘れというのは通常起こり得ることです。
果たして、アルツハイマー型認知症の物忘れと、普通の物忘れとの違いは何なのでしょうか?

加齢による一般的な物忘れとは、物事の一部分を忘れてしまうことがメインとなります。
例えば「テレビで見た芸能人の名前が思い出せない」「朝何を食べたのか思い出せない」というものです。
この物忘れは「あ、から始まる名前の人だよ」というようにヒントを言ってもらえば思い出せることも多く、
何より、自分が「忘れてしまっている」ことを「覚えている」ことが特徴となります。
また、通常このようにささいなことを忘れてしまったとしても、長年歩いてきた道や使ってきた道具、
今日が何日かということや自分がどこにいるかということを忘れてしまうことはまずありません。

これに対してアルツハイマー型認知症の物忘れとは、自分が「忘れてしまった」ということを「覚えていない」ことが特徴です。
この場合、ヒントを貰ったとしても思い出すことはできません。
記憶自体が存在していない為、自分が忘れている自覚がないことも特徴です。
数分前のことも忘れてしまうので、同じ質問を何度もされて、周囲の人が困ってしまうこともしばしばです。
また、通常中々忘れることのない、自分の家までの帰り道や今ここがどこなのかということも忘れてしまうのが、
加齢による物忘れと、アルツハイマー型認知症の物忘れの一番の違いでしょう。

しかしながら、初期の段階では自分に物忘れがあることを自覚していたり、それ以外の症状はほとんど出ずに、
加齢による物忘れと区別がつかないことも多くみられます。
その際は、物忘れ以外の症状、判断力の低下や意欲の低下など、依然と比べて変化した部分がある場合、
認知症外来を受診してみることをおすすめします。

記憶とは、その記憶の種類によって分類がなされています。
例えば、今必要な情報だけを覚えていくのが短期記憶です。
明日のテストのために一夜漬けをする、などはこれに当たります。
普段考えていなくても、長い人生の中で自然と身についている記憶を長期記憶といいます。
自分の名前や職業、誕生日など日常的には意識せずとも、ふとした切欠で思い出すことが多いです。
アルツハイマー型認知症の場合、この短期記憶というのが非常に苦手になります。
つまり、新しいことは中々覚えられないし、すぐに忘れてしまうということです。
しなし、それに対して長期記憶は、アルツハイマー型がある程度進行しても保たれる傾向にあります。
もしご家族の方がアルツハイマー型認知症だと判明したら、病院で治療するのはもちろんですが、
忘れてしまった記憶を訂正したりすることはあまりしないようにしてください。
本人が不安にならないように受け止め、本人が覚えている長期記憶に訴えかけるような話をするようにしてください。
忘れてしまったことを思い出すことはできないため、無理に思い出させようとするより、
メモを貼ったりするなどして、本人が思い出さなくてもわかるような工夫をすることが大切です。